○鴨川市成年後見制度利用支援事業実施規則
平成20年4月21日
規則第11号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 市長申立審判請求の手続等(第3条―第11条)
第3章 親族等申立審判請求の費用の助成等(第12条―第15条)
第4章 報酬の助成等(第16条―第21条)
第5章 権利擁護推進事業(第22条・第23条)
第6章 雑則(第24条・第25条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規則は、民法(明治29年法律第89号)の規定に基づく成年後見制度の利用を支援するため、市長申立審判請求の手続等を定めるとともに、成年後見制度の利用に係る費用の助成及び権利擁護推進事業の実施に関し必要な事項を定めることにより、高齢者、知的障害者及び精神障害者の福祉の増進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規則において「成年被後見人等」とは、民法第8条に規定する成年被後見人、同法第12条に規定する被保佐人又は同法第16条に規定する被補助人をいう。
2 この規則において「成年後見人等」とは、民法第8条に規定する成年後見人、同法第12条に規定する保佐人若しくは同法第16条に規定する補助人又は同法第849条に規定する後見監督人、同法第876条の3第1項に規定する保佐監督人若しくは同法第876条の8第1項に規定する補助監督人をいう。
3 この規則において「親族等」とは、配偶者及び4親等内の親族をいう。
4 この規則において「市長申立審判請求」とは、次の各号のいずれかに該当する審判の請求であって、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2の規定により市長が行うものをいう。
(1) 民法第7条に規定する後見開始の審判
(2) 民法第11条に規定する保佐開始の審判
(3) 民法第13条第2項に規定する保佐人の同意権の範囲を拡張する審判
(4) 民法第15条第1項に規定する補助開始の審判
(5) 民法第17条第1項に規定する補助人に同意権を付与する審判
(6) 民法第876条の4第1項に規定する保佐人に代理権を付与する審判
(7) 民法第876条の9第1項に規定する補助人に代理権を付与する審判
(1) 民法第862条の規定による成年後見人に対する報酬の付与又は同法第852条において準用する同法第862条の規定による成年後見監督人に対する報酬の付与の審判
(2) 民法第876条の5第2項において準用する同法第862条の規定による保佐人に対する報酬の付与又は同法第876条の3第2項において準用する同法第862条の規定による保佐監督人に対する報酬の付与の審判
(3) 民法第876条の10第1項において準用する同法第862条の規定による補助人に対する報酬の付与又は同法第876条の8第2項において準用する同法第862条の規定による補助監督人に対する報酬の付与の審判
第2章 市長申立審判請求の手続等
(市長申立審判請求)
第3条 市長は、本市に住所を有し、かつ、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づく本市の住民基本台帳に記録されている認知症の高齢者、知的障害者又は精神障害者(以下「高齢者等」という。)であって、次の各号のいずれにも該当するもの(以下この章において「審判請求対象者」という。)につき市長申立審判請求を行うことができる。
(1) 事理を弁識する能力が不十分なため日常生活を営むのに支障があること。
(2) 前条第4項各号に掲げる審判(以下「後見開始等の審判」という。)を自ら行うことが困難であること。
(3) 配偶者若しくは2親等内の親族による保護又は後見開始等の審判の請求の期待ができないこと。
(4) 福祉サービス等を利用する必要がある者で、福祉サービス等を利用することにより福祉の増進が期待できること。
2 前項の規定にかかわらず、市長は、審判請求対象者が次に掲げる場合に該当するときは、当該審判請求対象者につき市長申立審判請求を行わないものとする。
(1) 審判請求対象者の3親等又は4親等の親族に後見開始等の審判の請求を行おうとする者があるとき。
(2) 介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく他の市町村(特別区を含む。以下同じ。)の住所地特例対象被保険者であるとき。
(3) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づき他の市町村から介護給付費等を支給する旨の決定を受けている者であるとき。
(4) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に基づき他の市町村から保護を受けている者であるとき。
3 次に掲げる高齢者等(以下「住所地特例者」という。)であって、第1項各号に掲げる要件のいずれにも該当するものは、審判請求対象者とみなす。
(1) 介護保険法に基づく本市の住所地特例対象被保険者
(2) 本市から市外に転出した者であって、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づき本市から介護給付費等を支給する旨の決定を受けているもの
(3) 本市から市外に転出した者であって、生活保護法に基づき本市から保護を受けているもの
(民生委員等の要請)
第4条 次に掲げる者(以下「民生委員等」という。)は、成年後見制度の利用を必要とする者があると認めるときは、市長に対し、鴨川市成年後見開始等審判の請求要請書(別記第1号様式)により市長申立審判請求を要請することができる。
(1) 民生委員
(2) 本人の日常生活の援助者(親族等を除く。)
(3) 老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の長
(4) 介護保険法第8条第25項に規定する介護保険施設の長
(5) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第11項に規定する障害者支援施設の長
(6) 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成14年法律第167号)第11条第1号に規定する独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設の長
(7) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院又は診療所の長
(8) 地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項に規定する保健所の長
(9) 第21条第2項の規定により委託を受けた団体の代表
(調査の実施)
第5条 市長は、民生委員等から市長申立審判請求の要請があったとき、その他必要があると認めるときは、審判請求対象者の面談等を行い、次に掲げる事項を調査するものとする。
(1) 審判請求対象者の判断能力の程度
(2) 審判請求対象者の生活状況及び心身状況
(3) 審判請求対象者の親族等の有無及び保護の状況
(4) 審判請求対象者又は親族等が後見開始等の審判の請求を行う可能性の有無
(5) 市長が市長申立審判請求を行うべき事由の有無
(6) 審判請求対象者の福祉サービス等の利用の必要性及び利用した場合の福祉の増進の効果
(親族等への情報提供)
第6条 市長は、前条に規定する調査の結果、市長申立審判請求を行う必要があると認める場合において、当該審判請求対象者の親族等が後見開始等の審判の請求を行う意思を示したときは、必要に応じて審判請求対象者の状況等の情報を当該親族等に提供することができる。
2 市長は、前項の規定による情報の提供に当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の規定に基づき個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。
(1) 審判請求対象者に親族等がないとき。
(2) 審判請求対象者の親族等の代表者又はそのいずれかの者が、文書により後見開始等の審判の請求を行わない旨を市長に申し入れた場合(明らかに文書による申入れが困難な事由があると認められる場合に文書による申入れ以外の方法により申し入れた場合を含む。)で、当該審判請求対象者の状況を考慮し、市長申立審判請求を行う必要があると認めるとき。
(3) 審判請求対象者に親族等がある場合で、当該審判請求対象者において当該親族等からの虐待の事実が確認され、市長申立審判請求を行う必要があると認めるとき。
3 市長は、審判請求対象者において緊急かつやむを得ない事情が生じ、当該審判請求対象者について必要があると認めるときは、調査の一部を省略し、市長申立審判請求を行うことができるものとする。
(市長申立審判請求の手続)
第9条 市長申立審判請求に係る申立書及び添付書類の提出並びに予納すべき費用の支払その他の手続は、家庭裁判所の定めるところによる。
(市長申立審判請求費用の負担)
第10条 市長は、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第1項の規定により、市長申立審判請求に係る費用を負担するものとする。
2 市長は、前項の規定により市長申立審判請求に係る費用を負担した場合において、審判請求対象者がその収入、預貯金及び即時に換金可能な資産の中から当該費用の支払をしてもなお生計を維持することができると認められるときは、当該審判請求対象者に対し、当該費用の全部又は一部を求償することができる。
3 市長は、前項の規定による求償をしようとするときは、市長申立審判請求と併せて、家庭裁判所に対し家事事件手続法第28条第2項の規定による費用負担の命令の申立てをしなければならない。
4 市長は、前項の命令の申立てが却下されたときは、求償しない。
(審判前の保全処分)
第11条 市長は、審判請求対象者の状況を考慮し必要があると認めるとき、及び緊急を要する場合において必要があると認めるときは、家事事件手続法第106条の規定による審判前の保全処分の申立てを行うものとする。
第3章 親族等申立審判請求の費用の助成等
(親族等申立審判請求の費用の助成)
第12条 市長は、親族等申立審判請求を行った者が次の各号のいずれにも該当するものであるときは、当該親族等申立審判請求を行った者に対し、親族等申立審判請求に要した費用(以下「申立費用」という。)について助成するものとする。
(1) 本市に住所を有し、かつ、住民基本台帳法に基づく本市の住民基本台帳に記録されていること。
(2) 親族等申立審判請求を行った者が成年被後見人等本人でない場合にあっては、当該本人が前号に該当するものであること。
(3) 次のいずれかに該当する者であること。
ア 生活保護受給者
イ 申立費用の全部又は一部の助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると市長が認める者
(助成の対象とする申立費用及び助成額)
第13条 助成の対象とする申立費用は、親族等申立審判請求に要した手数料、登記印紙代、鑑定料、診断書作成料その他当該申立てに要した費用の全部又は一部とし、助成額は、市長が決定した額とする。
(申立費用の助成の申請)
第14条 申立費用の助成を受けようとする者は、鴨川市成年後見制度利用支援審判請求費用助成申請書(別記第5号様式)に必要な書類を添付して、市長に申請しなければならない。
2 前項の申請書の提出期限は、家庭裁判所による審判の決定があった日の翌日から起算して2月以内とする。
第4章 報酬の助成等
(1) 本市に住所を有し、かつ、住民基本台帳法に基づく本市の住民基本台帳に記録されていること。
(2) 次のいずれかに該当する者であること。
ア 生活保護受給者
イ 報酬の全部又は一部の助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると市長が認める者
2 住所地特例者である成年被後見人等は、前項第1号に掲げる要件に該当するものとみなす。
(助成の対象とする報酬及び助成額)
第18条 助成の対象とする報酬は、成年後見人等に対する報酬の付与の審判で決定された報酬の全部又は一部とし、助成額は、在宅者については月額2万8,000円、社会福祉施設に入所し、又は病院に長期入院している者については月額1万8,000円を上限とし、市長が決定した額とする。
2 成年被後見人等が死亡した場合の助成額は、成年被後見人等の遺産を成年後見人等に対する報酬の付与の審判で決定された報酬の支払に充ててもなお不足する場合の当該不足する額と前項に規定する助成上限額のいずれか少ない額以内の額とする。
(助成の対象とする期間)
第19条 報酬の助成の対象とする期間は、成年後見人等に対する報酬の付与の審判で決定された期間とする。
(報酬の助成の申請)
第20条 報酬の助成を受けようとする者は、鴨川市成年後見制度利用支援報酬助成申請書(別記第8号様式)に必要な書類を添付して、市長に申請しなければならない。
2 前項の申請書の提出期限は、家庭裁判所による報酬の付与の審判の決定があった日の翌日から起算して2月以内とする。
第5章 権利擁護推進事業
(権利擁護推進事業)
第22条 市長は、高齢者、知的障害者及び精神障害者に対し成年後見制度の相談、利用の支援、広報、啓発等を行うため、権利擁護推進事業を実施するものとする。
2 前項に規定する権利擁護推進事業は、社会福祉法人その他適切な事業運営が確保できると認められる団体に委託して行わせることができる。
(事業の内容)
第23条 前条に規定する権利擁護推進事業の内容は、次のとおりとする。
(1) 成年後見制度に関する相談及び当該制度の利用の支援
(2) 成年後見制度に関する広報及び啓発
(3) 関係機関との連携
(4) 市民後見人(成年後見制度に基づく後見等の業務を適正に行うことができる者として家庭裁判所が選任するものをいう。)の候補者の養成及びその活動の支援
(5) 前各号に掲げるもののほか、権利擁護の推進に関し必要な事業
2 前条第2項の規定により委託を受けた団体は、実施した事業の内容その他必要な事項を、市長が定める方法により報告しなければならない。
第6章 雑則
(助成金の返還)
第24条 市長は、申請者が虚偽の申請その他不正の手段により助成金の支給を受けたときは、既に支給した助成金の全部又は一部を返還させることができる。
(その他)
第25条 この規則に定めるもののほか、市長申立審判請求の手続等及び成年後見制度の利用に係る費用の助成並びに権利擁護推進事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成24年3月30日規則第24号)
この規則は、平成24年4月1日から施行する。
附則(平成24年7月5日規則第28号)抄
(施行期日)
1 この規則は、平成24年7月9日から施行する。
附則(平成25年3月29日規則第10号)
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行する。ただし、第4条第5号の改正規定(「障害者自立支援法」を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に改める部分に限る。)は平成25年4月1日から、同号の改正規定(「第5条第12項」を「第5条第11項」に改める部分に限る。)は平成26年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)前に、この規則による改正前の鴨川市成年後見制度利用支援事業実施規則第15条第1項の規定により助成の決定を受けた者に係る未支給の助成金については、施行日以後、当該未支給の助成金を一括して支給するものとする。
附則(平成26年3月28日規則第3号)
(施行期日等)
1 この規則は、公布の日から施行し、改正後の第12条から第20条までの規定は、平成24年4月1日以後に行われた親族等申立審判請求に係る申立費用及び同日以後に行われた報酬の付与の審判の請求に係る報酬の助成について適用する。
(申立費用の助成に係る経過措置)
2 平成24年4月1日からこの規則の施行の日の前日までに行われた親族等申立審判請求に係る申立費用の助成に関する規定の適用については、第14条第2項中「家庭裁判所による審判の決定があった日の翌日から起算して」とあるのは「この規則の公布の日の翌日から起算して」とする。
(報酬の助成に係る経過措置)
3 平成24年4月1日からこの規則の施行の日の前日までに行われた報酬の付与の審判の請求に係る報酬の助成に関する規定の適用については、第19条第2項中「家庭裁判所による報酬の付与の審判の決定があった日の翌日から起算して」とあるのは「この規則の公布の日の翌日から起算して」とする。
附則(平成27年3月31日規則第22号)
この規則は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成30年9月20日規則第41号)
この規則は、平成30年10月1日から施行する。
附則(令和3年3月31日規則第8号)
この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和3年10月12日規則第35号)
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際現に存するこの規則による改正前の様式による用紙は、当分の間、所要の調整をして使用することができる。
附則(令和5年3月31日規則第14号)
この規則は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和6年4月18日規則第22号)
この規則は、公布の日から施行する。