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柴燈護摩(さいとうごま)火渡り祭
5月21日(日曜日)午前10時から、長狭地区にある大山不動尊で「柴燈護摩(さいとうごま)火渡り祭」が行われました。
これは、山伏姿の修験者や一般の参拝者などが護摩壇の燃え跡にできた道を素足で歩く荒行「火渡り」に挑むものです。これまではコロナ禍で規模を縮小して開催していましたが、今年は令和6年の創建1300年に向けて盛大に執り行われ、約270人が参加しました。
火渡りの前には、山伏姿の修験者がほら貝を響かせながら、弓矢や刀などの法具を使って道場を清める儀式を執り行いました。その後、たいまつに火をつけ、境内に築かれた護摩壇に点火されると白煙と大きな炎が立ち上り、修験者の祈祷が勤められました。10分ほどたち、火の勢いが落ち着くと護摩壇を囲んでいた山伏姿の修験者が護摩壇を崩し、燃え跡をならして火渡りのための道をつくり、修験者に続いて多くの参拝者が火渡りに参加しました。
火渡りに参加した市内に住む家族は、「家族みんなで参加することができてよかった。貴重な体験でした。」と話していました。
また、火渡りの場には、初代・波の伊八作の「倶利伽羅龍(くりからりゅう)」が開帳されました。「倶利伽羅龍」は、不動明王の化身とされ、宝剣に絡みついた龍がその剣を飲みこむ姿をとっている彫物であり、毎年この柴燈護摩火渡り祭に開帳されているとのこと。多くの参拝者がカメラで撮影をするなどして見物していました。
柴燈護摩火渡り祭を見守っていた総代長の古谷野勝氏は「多くの人が参加してくれてとてもうれしく思う。この行事に限らずたくさんの方が同寺を訪れてくれることを願っています。」と話していました。
▼ほら貝を響かせながら、儀式の場へ向かう山伏姿の修験者らの様子
▼法斧(ほうふ)。柴燈護摩の檀木である木を切り出す作法のこと
▼法剣(ほうけん)。道場内の魔と自心の魔を断ちきる作法のこと
▼法弓(ほうきゅう)。四方に矢を放ち魔入り込ませない作法のこと
▼願文(がんもん)。御信徒各位の願い事を本尊に述べる願いの文のこと
▼閼伽(あか)。釈迦如来の心水のこと。この清浄無垢の閼伽水(あかみず)を本尊に供えた後、点火をします
▼点火(てんか)。たいまつに火をつけ、護摩壇へ点火します
▼御幣加地(ごへいかじ)。御幣を差した御輿を行者が担ぎ、柴燈護摩壇のまわりで御加持します
▼白い煙と大きな火が立ち上る護摩壇のようす
▼護摩壇の周りでは山伏姿の修験者らがお経を唱えるなどしています
▼護摩壇が燃え尽きると山伏姿の修験者が護摩壇を崩し、燃え跡をならします
▼長い木を使い、炭を押し固めて「火渡り」のための道を作ります
▼初めに大山寺住職が「火渡り」を行います。塩をまき、場を清めながら渡ります
▼続いて一般の参拝客も炭の上を裸足で渡り、無病息災・家内安全などを祈っていました。
▼展示されていた初代・波の伊八作「俱利伽羅龍(くりからりゅう)」