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工藤統さん

ページID:0001639 更新日:2021年7月1日更新 印刷ページ表示

工藤 統さんの画像

工藤さんはサーフィン仲間でもあった畑沢さんと共同で2019年6月にカフェ&ゲストハウス「KOZUKA513」をオープンされました。お二人ともお料理好きとあって、カフェで提供しているスイーツもご自身で手作りされています。
カフェの一画には陶器や焼き物を金継ぎした作品がさりげなく飾られており、クリエイティブな一面も垣間見えます。非日常感が味わえるカフェは店名そのまま、県道34号線沿いの金束513番地に所在しています。機会があれば是非立ち寄って頂きたいスポットです。

移住のきっかけは?

鴨川との出会いはサーフィン。毎年、九十九里から海岸線を南下して鴨川のビジネスホテルに泊まり、翌日川崎に帰るというトリップをしていた。「鴨川に住んだら波乗り終わりにゆっくり飲めるなぁ」と漠然と考えていた。 つぎは大山千枚田との出会い。棚田の風景にほれ込んでオーナー制度に参加。“いつかカフェをやりたい”と思っていた。大山千枚田に出会い、こんなに景色のいいところでカフェができたら、と真剣に思った。その夢の実現に向け移住を決意した。

移住のための準備したことや決め手は?

とにかく場所探し。知人もいなかったので地元の不動産屋さんに相談。何件か紹介いただいたものの千枚田からは遠すぎたり山の中すぎたり…。「こんな場所がいいという自分たちのイメージで場所を挙げてくれたらこちらで調べるよ」と言われ、大山千枚田を中心に空き家や空き地を探しまわりチェックすること20か所以上。けれどなかなか希望通りの物件がない。あきらめかけたときに「売りに出るよ」と紹介されたのが長狭街道沿いの古民家。こことの出会いが決定打だった。 また、開業の準備として古民家を利用した店舗を訪れたり農家民宿に実際に泊まったりした。

移住前と移住後の生活で変わったことは?

職住隣接がうれしい。早朝に起き満員電車に乗り込み、乗り換えて、乗り換えて1時間以上の通勤…そんな生活を30年近く続けてきたけれど、今はなんだか「人間的」な生活ができているような気がする。 畑で野菜を育てたり裏山で筍を採ったり、竹を様々なことに利用したり、身の回りにある自然を生かす生活に心地よさを感じている。 “燃す” ということの概念。 竹林や庭、駐車場の手入れをするたびに大量の竹や草、木の枝が出る。今までの感覚では「小さく切って燃えるごみの袋に詰めて…」大工さんに相談すると「トラックを貸してやるから清掃センターに持って行けば?」なるほど。トラックに山積みにして清掃センターに持ち込んだ。確かに処分してくれたし、金額も思ったほどではなかったけれど、清掃センターの人の「なんでこんなもの持ち込んでくるんだ?」の表情が気になった。またまた大量の竹や草が出た。再び大工さん「消防署に連絡して燃してしまえばいい。連絡しないと火災と間違われるかもしれないから」えっ、それでいいの?消防署に連絡し、番地や連絡先を伝え、「水を用意してくださいね。風が強くなったらやめてくださいね」と指導を受け、さっそく空き地の隅で燃やした。燃える、燃える。昔大好きだったキャンプファイヤーを自宅でやっている気分。今までの生活では考えられない「自分ちで竹や草を燃す」という日常。

移住するにあたって苦労した点はありますか?

前述したが、一番は場所探し。つぎにカフェ兼農家民宿をするための移住だったので、古民家の改装や住居部分の新築などの資金繰り。古民家の改装。もちろん主要なところは大工さんにお願いしたけれど、間取りやデザイン的なことについては自分たちで考えたし、いくつかの作業もやった。天井をはがしたら出てきた立派な梁の洗浄、トタンの下地の垂木張り、芝生張り…最初は今までの生活には出番のなかった高圧洗浄機やインパクトドライバーを操ることが面白くてノリノリだった。けれど先の見えない繰り返しの作業は途中から苦行に変わる。 せっかく畑も借りられたし農家民宿だし、ということで“開墾”を始めた。機械がないので人力で。この辺りの土地の特徴らしい粘土質の地盤と、長年耕作放棄されていたためなのか、硬い土と際限なく出てくる雑草の根。ひ弱な自分たちには堪える作業だった。都会で目にする共同農園などとは別物ということを思い知った。

移住を成功させるための秘訣は?

移住して半年余り。成功できているのかどうかはまだ不明だけれど、これから先、“成功”と言えるための鍵は“人とのつながり”なんじゃないかと思っている。 カフェや宿泊のお客様とのつながりもだし、地域とのつながりを密にすること。少しずつだけどご近所づきあいのようなものもできてきた。台風被災の時はご近所の方から氷や食事の差し入れをいただいたりランタンを貸していただいたり、冷蔵・冷凍の限界が来た店の食材をいただいてもらったり、いろいろ助けられ元気づけられた。もっともっとかかわりが増え、いくらかでも地域の役に立てたらいいなと思う。 ふるさと回帰支援センターの帰農者セミナーや大山千枚田のオーナー制度で出会った方々からもご縁が広がっている。そこで生きるということはそこの人々とかかわって生きることだと考えているから、様々なご縁がうれしいし大切にしていきたい。

鴨川移住の先輩からのアドバイス!

自分はあまりできなかったけれど、先住の方のお話を聞く機会を多くもつといいと思う。ふるさと回帰支援センターの帰農者セミナーや千枚田オーナー制度への参加など、自分の移住の目的に合った公的機関や団体などと積極的に関わっておくと良いと思う。 四季折々の表情も違うし、思いがけないポイントへのアクセスがよかったり悪かったり(外房・内房どっちの海にも30分足らずで行けるとか、コンビニがやけに遠いとか…)するので、ある程度時間をかけて下調べするのも必要だと思う。でも、実際に住んでみたからわかる良さもたくさんあるだろうし、自分はむしろそっちのほうが多かった。


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