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7月31日(月曜日)~8月4日(金曜日)、栃木県小山運動公園野球場をメイン会場として、ポニーリーグ初の女子野球の国際大会「第1回 ECCインビテーショナル SSKカップ ポニー・ガールズ・ベースボール・ワールドシリーズ」が開催されました。15歳以下の部では「U-15日本代表」として、鴨川市在住で、いすみ市運動公園 大原グラウンド野球場をホームグラウンドとした「房州ポニーベースボールクラブ」に所属する多田花選手、野村多貴選手が選出され、見事、優勝の栄冠を勝ち取りました。
ポニーリーグは、アメリカに本部を置く世界的な硬式野球リーグで、今大会は「日本ポニーベースボール協会」の主催により開催。女子部門の国際大会は今大会が初めてとなります。
大会は2部門に分かれて行われ、15歳以下の部には、日本(2チーム)、アメリカ、オーストラリア、中国の計5チーム、16歳以上の部には、日本、アメリカ、中華台北、香港、オーストラリアの計5チームが出場しました。
優勝報告のために市長を訪問した多田選手、野村選手にお話を伺いました。
右:多田花選手(14歳)鴨川中学校2年生。房州ポニーベースボールクラブ所属。ポジションは捕手。小学校3年生のころから田原ソフトボールクラブで遊撃手として活躍。中学校に上がってから硬式野球を始めた。
左:野村多貴選手(13歳)鴨川中学校1年生。房州ポニーベースボールクラブ所属。ポジションは投手。最速110kmを誇る直球が武器。得意な球は外角低め。小学校1年生のころから少年野球の鴨川リトルベアーズで投手として活躍。
2人は、令和5年4月29日に行われた日本ポニーベースボール協会の選考会を経て、多田選手は捕手として、野村選手は投手として日本代表の一員に選ばれました。
U-15日本代表は、初日の予選リーグに2連勝。トーナメント戦に入っても、準々決勝で“妹分”のU-13日本代表に10対0で勝利し、準決勝でもアメリカに8対5で勝利。決勝では、準決勝で接戦を演じたアメリカが敗者復活戦を勝ち上がり再度対戦することとなりましたが、14対2で圧倒し、計5試合を全勝で勝ち上がって優勝しました。
【予選リーグ】
初戦:U-15日本代表 16対0 中国
2回戦目:U-15日本代表 14対0 U-13日本代表
【トーナメント戦】
準々決勝:U-15日本代表 10対0 U-13日本代表
準決勝:U-15日本代表 8対5 アメリカ
決勝:U-15日本代表 14対2 アメリカ(敗者復活)
多田選手
私は、初戦の試合中に右肩を負傷してしまい、以降の試合は出場することができず、悔しい思いがありました。ですが、チームのみんなが励ましてくれ、試合に出られない間はチームのサポートにまわりました。みんなで優勝できてうれしかったです。私の家族も会場に来てくれてチームを一緒に応援してくれました。
野村選手
優勝できてよかったです。私は大会の途中から2試合登板し、失点を1点に抑えることができました。予選リーグ初戦の中国戦とトーナメント戦決勝のアメリカ戦は家族が会場で応援してくれたので、力が湧きました。
予選リーグ初戦の中国戦で三塁に滑り込んだ時にバランスを崩し、右肩を脱臼してしまいました。以降、試合に出ることができなくなってしまいました。
捕手は別の選手に代わってもらい、私はチームや代役の捕手のサポートに徹しました。試合に出られなかったことはすごく悔しかったですが、裏方としてチームに貢献することができ、チームのみんなも励ましてくれたので前向きに試合に参加することができました。
試合中は、選手がヒットを打つと私の名前である「花」にちなみ、手首を合わせ、指を花びらのように開く「花ポーズ」をしてくれました。とてもうれしかったです。
▲予選リーグ初戦に正捕手として出場した多田選手。以降の試合はけがのためサポートにまわり、裏方としてチームを支えた
▲手首を合わせた「花ポーズ」。このポーズで一致団結し初代女王に輝いた
けがをしていたため大会の序盤は試合に出場することはできませんでしたが、トーナメント戦準々決勝のU-13日本代表との試合からは先発で登板しました。その後、トーナメント戦決勝のアメリカ戦でも先発し、4回1安打1失点5奪三振の成績を残すことができました。試合中は自分の投球に対して、悔しい気持ちになることもありましたが、チームの仲間と団結して優勝することができたのでうれしかったですし、楽しかったです。
▲登板した野村選手。決勝の米国戦では110km近い速球で相手打線を抑え込んだ。
野村選手
メンバー全員が集合したのは大会の開幕前日でした。練習時間は2時間くらいだったと思います。
でも、みんな普段から男子と一緒に野球をやっているので、短い練習時間の中でもプレー中の動き方や連携はすぐにできました。
野村選手
私の投げるボールは重く、打ちにくいとよく言われます。なので、もっと球速を挙げて男子相手でも打ち取れるようなボールを投げたいです。
多田選手
私は高校に進んでも硬式野球を続けていきたいと思っています。高校野球に向けて、今よりもっと捕球技術や送球を極めていきたいです。
多田選手
女子の硬式野球の部活がある学校は少ないため、中学校にも高校にも男子の硬式野球と同じように女子の硬式野球ができてほしいです。もっともっと「女子硬式野球」がメジャーなものになったらいいなと思います。
市長に優勝を報告した多田選手と野村選手。
優勝メダルを市長と訪問に同行した鴨川中学校の渡邉校長に見せ、二人が実際に手に取る場面も。
市長は、「2人の今後の活躍が楽しみ。女子野球の更なる発展のために頑張ってほしい」と激励しました。
※インタビュー内容は、令和5年8月18日現在です