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一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事を務める小児科医・作家の湯浅正太氏を迎えた講演会が13日(土曜日)、鴨川市役所で開催され、市内外から人権擁護委員をはじめ約140人が参加しました。
これは、法務省が全国展開する人権啓発活動地方委託事業で、県南地域においては木更津・館山人権啓発活動地域ネットワーク協議会を構成する7市1町が輪番制で実施しているもの。今年度は鴨川市を会場に「ヒューマンフェスタinかもがわ」と銘打ち開催しました。
湯浅氏は、小児神経疾患が専門の小児科医。高知大学医学部卒業、自治医科大学附属病院、亀田総合病院、国立精神・神経医療研究センター病院勤務などを経て、子育て支援を目的に一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立。「子どもの『生きる』を考える」を基本理念に、講演・執筆・テレビ/ラジオなどの多方面で活躍中です。著書にきょうだい児支援のための絵本『みんなとおなじくできないよ 障がいのあるおとうととボクのはなし』(日本図書センター、2021年)等があります。
ヒューマンフェスタでは、「子どもの『生きる』を考える ~ハンディキャップと兄弟姉妹~」と題して講演。同胞(障がいや病気をもつ子ども)の兄として過ごした子どもの頃の経験をはじめ、見通しをもって子どもたちを支えたいとの思いから医師になったという経緯、子どもの成長・発達には“ゆくり”(つながり)が大切であることなどを、親しみやすい口調で語りました。
「表に現れる行動だけではなく、背景にどんな心があるのか、本当は何を思っているのかを理解することが重要。ゆくりのサイクルを理解し、親と子だけのつながりではなく、親と社会、親と親などのつながりを大切に」と湯浅氏。
参加者は講師の話に真剣に耳を傾け、熱心にメモを取る様子も見られました。質疑応答も活発に行われ、和やかで充実した時間となりました。
また、当日会場では、オープニングイベントとして鴨川少年少女合唱団が9曲を披露。『いのちの歌』や『ありがとう』など、美しいハーモニーとのびやかな独唱を参加者に届けました。
なお、会場内では、市内小中学生による千葉県子どもの人権ポスター原画コンテストの応募作品や、人権擁護委員制度を分かりやすく説明した小冊子などが展示されました。
※同胞=家族に障がいや病気をもつ子どもがいる場合、その子どもたちのこと
※きょうだい=同胞の兄弟姉妹のこと
※ゆくり=「縁」「つながり」を意味する古語
▲約140人の前で講演を行った一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事を務める小児科医・作家の湯浅正太氏(写真左)
▲来場する関係者や一般参加者
▲受付で来場者を出迎えた、人権イメージキャラクターの人KENまもる君と人KENあゆみちゃん
▲会場の前に展示された市内小中学生による千葉県子どもの人権ポスター原画コンテストの応募作品
▲展示された湯浅氏の著書や人権擁護委員制度を分かりやすく説明した小冊子を手に取った来場者
▲開会に当たり挨拶を述べた佐々木市長と川名県議会議員
▲9曲を披露した少年少女合唱団
▲『ありがとう』と『Sing』を独唱で披露した少年少女合唱団員の2人。のびやかな歌声が会場に響き渡りました
▲スライドを使用して講演を行った湯浅氏。質疑応答も活発に行われました