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今から94年前(昭和4年)の鴨川駅、房総線が開通した日の駅前周辺は、2千人余りの来賓と多くの人で賑わったそうです。
これは、資料館の職員から聞いた話ですが、このことは、現在郷土資料館で開催されている「写真でみる鴨川のいまむかし(10月22日まで開催)」からも伺い知ることができます。
当館には、これまで貴重な写真資料が市民皆さんから、数多く寄せられ、本市の歴史研究などに活用されてきました。今回の企画展示では、これらの中から、昭和初期に撮影された写真を中心に風景や街並み、産業、出来事などの写真79点と絵はがき30点の計109点の写真資料を紹介しています。
私が特に印象に残っている昭和初期の写真は、東条和泉地区と西条粟斗地区の境を流れる待崎川の滝『「ぜんぜん滝」のかいぼり』です。多くの両村民が集まって、発動機を使用しての川はらいで、うなぎが多量に捕まったという言い伝えがあります。
もう一つは、「山生橋梁(やもうめきょうりょう)」です。この山生橋は内房線の江見駅から太海駅の間にあり、歴史的にも貴重な建造物として「土木学会選奨土木遺産」に認定されています。山生橋梁は海の上にあることから鉄橋ではなく、国内初の鉄筋コンクリートT型梁形式の橋として大正13年(1924年)に建設されました。建造時の足場が「いまむかし」を物語る貴重な写真となっています。少年少女雑誌の表紙に掲載されたことを思い出しました。
皆さんも、ぜひ、一度ご覧になっていただき、鴨川の昔と今を比べながらこれからの鴨川について話題にしていただくと楽しいと思います。(※令和5年10月22日で終了しました)