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先日、私は長狭街道駅伝競走大会・閉会式に出席しました。
この大会は、鋸南町から鴨川市までの山間部のアップダウンを走る厳しいコースで、他の駅伝大会とはまた違った趣があり、駅伝ファンを魅了してやまないところです。その日は「三寒四温」の真っただ中で、雨と寒さが厳しく、選手たちは、大変な状況の中での走りでした。
大会の当日、「街道」という少し古めかしい名称に思いを馳せながら、車で走ってみました。この長狭街道は、鋸南町と鴨川市を結ぶ全長約27 Kmの県道で、古くから歴史的に大変重要な街道でした。
江戸時代から人の往来はこの街道を通って木更津経由で江戸へ、物流は船で前原から江戸へ運ばれていたそうです。
街道の周辺には、波の伊八誕生地、主基斎田、吉保八幡神社、古泉千樫誕生地、大山不動尊、佐久間ダム湖、源頼朝上陸地、菱川師宣記念館など、歴史的価値の高い文化財が多くあることを改めて感じました。
ちなみに長狭街道の道標は4つ現存し、起点となる道標(横渚)には、
「さい志よう かね山みち たはら大山 ほたみち 鴨川かいがん ほう志ようみち」
と記されています。
三方向の行き先を示したもので、“さい志よう”は鴨川市西条、“ほう志よう”は館山市北条を指すそうです。
県内の主要な国県道には「何々ライン」という看板も見受けられますが、私は古くから外房と内房を結ぶ「街道」と呼ばれている名称が、とても好きです。