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このほど、中嶋八良(はちろう)さん(90歳・横渚)が、昨年亡くなった娘の中嶋ゆう子さんの遺産の一部を、ゆう子さん自身の遺志に従い、鴨川市へ寄付されました。
中嶋八良さんは、東京医科歯科大学の医学部助教授として、法医学や臨床遺伝学、輸血医学の教官を務め、免疫血液学や血液遺伝学の研究に従事。日本法医学界などの各種学会の評議員も歴任されました。
娘のゆう子さんは千葉市内で歯科医院を開業していましたが、昨年12月に病気のためにご逝去。ゆう子さんは、生前、自分の資産を公共事業のために寄付したい、と話していたことから、その遺志を尊重し、父親の中嶋さんから故郷の鴨川市へ寄付されることとなりました。
中嶋八良さんは、平成12年から鴨川市の市史編さん委員、29年からは市史編さん委員長を務め、長年にわたり市史編さん事業に携わった経験を持ちます。
そこで、ゆう子さんの遺産の一部を鴨川市の文化の振興のために役立ててもらいたいと考え、同市資料館・文化財センターの古文書を含めた資料類をより良い状態で保存・管理するための収蔵庫と、文化振興のための資金(金額非公開)に分けて、市に寄付する形となりました。
中嶋さんから目録を手渡された長谷川孝夫市長は、「この度は、大変貴重なご寄付をいただき、誠にありがとうございます。娘さんを亡くされたことは、大変な心痛であったものと思います。ゆう子さんのご遺志をしっかりと受け止め、本市の文化の振興のために有効に活用させていただきます。」と感謝の言葉を述べました。
▲左から 鈴木希彦教育長、長谷川孝夫市長、中嶋八良氏