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城西国際大学安房キャンパス跡地の活用について
学校法人日本航空学園の安房キャンパス使用について
市では、安房キャンパス跡地の有効活用により、地域活性化を図る観点から、日本航空学園からの要望について検討を進めてきた結果、同学園に跡地を使用していただくこととしました。
このため、令和6年第4回定例市議会に土地の無償貸付のための議案を提出し、12月19日に可決されました。
1 活用の枠組み
・市は、大学から安房キャンパス跡地(土地)の返還を受け、日本航空学園に無償で貸し付けます。
・大学は、日本航空学園に建物等を譲渡します。
・日本航空学園は、安房キャンパス跡地を学校用地として使用します。
2 無償貸付の概要
(1) 活用の概要
ア 内容
跡地を日本航空高等学校通信制の分校とし、専任教職員等を配置します。
生徒は、主に女子野球、女子サッカーおよび陸上(駅伝)に係るスポーツ志望の者を全国から募集します。
開学当初は女子野球および女子サッカーに注力して募集を行うとともに、令和6年能登半島地震で被害を受けた日本航空高等学校石川の女子サッカー部の活動拠点移転を図ります。
イ 既存施設の活用
学校法人城西大学から既存の建物および工作物その他一切の物件の譲渡を受け、学校施設として活用します。
ウ 効果
生徒および教職員等が鴨川市に定住することによる経済効果に加え、運動部の練習試合等の拠点として活用することも想定されていることから、全国から多くの対戦相手が鴨川市を訪問し、宿泊することが期待されます。
また、生徒達が全国レベルの大会等で活躍することにより、本市の知名度の向上が図られます。
エ 展望
5年から10年をかけ、ドローン教育および航空専門教育が実施できる体制を整え、航空業界への人材輩出および男子生徒の募集を目指します。
(2) 貸付期間
学校法人城西大学から土地の引渡しを受けた日から起算して30年間とします。
ただし、土地を同様の用途に継続して使用する場合は、さらに20年間更新し、以後も同様とします。
(3) 貸付の主な条件
ア 貸し付ける土地は、学校の用途に使用し、令和7年度に通信制課程の分校を設置し、令和7年度から概ね10年以内を目途に高等学校の本校または専修学校の設置を目指すものとします。
イ 学園は、市の承諾を得ないで用地および建物等の現状を変更し、第三者に使用させ、若しくは使用料等を収受し、または建物等の譲渡若しくは担保権設定その他の処分をしてはならないものとします。
ウ 市は、学園が土地を目的外の用途に使用したときなど、一定要件に該当すると判断した場合は、催告の手続をしないで契約を解除することができるものとします。
エ 学園は、原則として、市の指示に従い、自己の費用をもって建物等を収去して土地を返還しなければならないものとします。
(4) 無償貸付する理由
学校法人が学校を設置運営する事業であり、運営の安定化を図る必要があります。
また、相手方は、令和6年能登半島地震により石川県輪島市にある日本航空高等学校石川および日本航空大学校石川が被害を受けました。
跡地に女子サッカー部の活動拠点を移転する計画であることから、特に配慮を要すると考えられます。
市にとっても、遊休化している跡地に学校が立地することにより、地域の活性化に貢献することが見込まれます。
・生徒数予測
|
1年生 |
2年生 |
3年生 |
合計 |
開学年 |
40名 |
- |
- |
40名 |
2年目 |
60名 |
40名 |
- |
100名 |
3年目 |
100名 |
60名 |
40名 |
200名 |
4年目 |
100名 |
100名 |
60名 |
260名 |
5年目 |
100名 |
100名 |
100名 |
300名 |
(参考)学校法人日本航空学園の概要
1932年に創立された日本国内では最大・最古の航空従事者養成の専門校です。 本学園は航空業界・航空関連業界をはじめ、プロとして活躍できる人材の育成を基本に、しっかりとした人間力と確かな知識・技術を兼ね備えた優秀な人材を育むことをコンセプトに高等学校と専門学校を運営しております。 これまでに5万人あまりの卒業生を社会に輩出し、多くの卒業生が航空業界・航空関連業界をはじめ大手メーカー等で活躍しています。
―4つの高等学校― ■日本航空高等学校 山梨(山梨県甲斐市) ■日本航空高等学校 石川(石川県輪島市、東京都青梅市) ■日本航空高等学校 北海道(北海道千歳市) ■日本航空高等学校 通信制課程
―2つの専門学校― ■日本航空大学校 北海道(北海道千歳市) ■日本航空大学校 石川(石川県輪島市、東京都青梅市) |
城西国際大学安房キャンパス跡地活用に関する説明会の開催について
城西国際大学安房キャンパス跡地を学校法人日本航空学園が使用することについて、市民を対象に、下記のとおり説明会を開催しました。
1 日時
・1回目:令和6年12月6日(金曜日)18時30分~20時00分
・2回目:令和6年12月7日(土曜日)13時30分~15時00分
2 場所
市役所4階大会議室
3 説明会資料
城西国際大学安房キャンパス跡地の活用に向けた取組について [PDFファイル/1.1MB]
4 開催結果
城西国際大学安房キャンパスの活用に向けた取組の経過
城西国際大学の誘致にあたっては、平成14 年から28 年にかけて市が用地を無償譲渡するなどし、平成16 年4月に安房ラーニングセンター、平成18 年4月に城西国際大学観光学部、平成27 年9月に安房グローバル・ヴィレッジが順次開設され、安房キャンパスと総称される施設群が形成されてきました。
しかし、大学では、令和4年度から観光学部を東金キャンパスに移転することを令和2年7月に決定し、これに伴って安房キャンパスが閉鎖されました。
市では、早期に安房キャンパス跡地の有効活用による地域活性化を図るため、大学と土地・施設の活用方策を協議してきました。また、これと並行して、市が無償譲渡した土地の返還や大学施設の取扱いなどについても協議してきました。
跡地活用に向けた取組
(1)基本的な考え方
現状の建物の用途および機能並びに太海多目的公益用地開発の経緯を踏まえ、教育研究施設用地としての活用を第一義として、利用者および用途を決定できるよう取組を進めます。
利用者については、第三者であることを最優先に学校法人城西大学と協議し、募集および決定を行います。
なお、望ましい教育研究施設の誘致が困難な場合には、教育関係に限らず、活用先を検討します。
(2)跡地の活用に係る提案の募集
安房キャンパス跡地の有効活用による地域活性化を図るため、跡地の活用に係る提案を募集しました。
活用にあたっては、市が太海多目的公益用地開発に取り組んできた経緯を踏まえ、教育研究施設が望ましいですが、地域の振興や活性化につながる用途であれば、大学等教育研究施設に限らず、提案等は受け付けました。
ア 募集期間
令和4年5月18日(水曜日)~8月1日(月曜日)
イ 受付件数
7件 ※別に大学が把握する4事業者あり
(ア) 提案概要(市受付分)
No. |
提案内容 |
提案主体 |
備考 |
1 |
全寮制中高一貫校 |
学校法人 |
教育関係 |
2 |
介護付サービス付き高齢化住宅 |
株式会社 |
福祉関係 |
3 |
日本語学校、通信制高等学校提携サポート施設 |
株式会社 |
教育関係 |
4 |
複合グランピング施設、道の駅新マネジメント |
株式会社 (グループ) |
観光関係 |
5 |
インターナショナルスクール |
学校法人 |
教育関係 |
6 |
インターナショナルスクール(ボーディングスクール) |
株式会社 |
教育関係 |
7 |
外国大学日本校(ホスピタリティスクール、専門学校含む) |
株式会社 |
教育関係 |
(イ) 提案概要(大学把握分)
No. |
提案内容 |
提案主体 |
備考 |
8 |
インターナショナルスクール(高等学校および学生寮、スポーツ・集会施設) |
株式会社 |
教育関係 |
9 |
インターナショナルスクール(ボーディングスクール) |
団体 |
教育関係 |
10 |
国際高校、アジア青少年スポーツ交流センター |
株式会社 |
教育関係 |
11 |
外国大学日本校(大学の誘致、ホスピタリティ教育の導入) |
株式会社 |
教育関係 |
(3)利活用候補事業者の選定審査
安房キャンパス跡地および建物・施設・設備等の利活用について、その優先交渉権者の選定を厳正かつ公正に行うため、令和4年8月26日に市と大学とで利活用候補事業者選定審査委員会を設置し、審査等を行ってきました。
ア 審査にあたっての基本コンセプト
(ア) 鴨川市のまちづくりの方向性と整合する事業であること
(イ) 持続可能な形で跡地等の利活用を図ることができるものであること
(ウ) 跡地等の一部開放などにより、地域に貢献することが望ましいこと
イ 審査の経過
11件の提案について、(ア)の基本コンセプトに関する事項や提案の実現性等を審査し、令和5年6月時点で2件に絞り込みました。これら2件の提案は、いずれも、主に外国人生徒を対象とするインターナショナルスクールで、寄宿舎を備えたものでした。
その後、提案の実現性等について審査を行ってきましたが、令和6年4月に1事業者から辞退の旨の申し出を受けました。その理由は、改修費用の高騰などにより規模を小さくせざるを得なくなり、関係事業者と協議し、実現できないとの結論に至ったとのことでした。
残る1件の提案については、当初の内容から変更したい旨の申し出があり、改めて審査を行いましたが、実現性や継続性に心配があり、地域活性化に十分に貢献することは期待できないと考えられたため、選定は難しいと判断されました。
この結果、今般の審査選定手続については、白紙に戻し、一旦区切りをつけるとの結論に至りました。ただし、その前提として、大学側では、土地および建物の所有関係についての方向性を協議することが必要との意向でした。
そこで、改めて跡地の活用に係る大学側の意向を確認すべく、書面の提示を求めました。
●学校法人城西大学からの回答(令和6年9月24日付け)
1.学校法人城西大学では、安房キャンパスの取扱いについて、鴨川市の意向を汲みながらそれを最大限尊重して協議を進めてきたところである。その一環として、鴨川市と大学が協働して土地と建物等を一緒に取り扱えるよう、安房キャンパスの跡地等の利活用選定審査委員会が設置された。大学としては、建物等について、資産処分の観点から合理的な価額で売却することを基本としながら、誠意を持って諸問題解決のため、市が望ましいと考える事業候補者を受け入れる方向で対応し、早期決定を求め続けてきたものの、残念ながらその決断に至ることができなかったものと認識している。 2.安房キャンパスの建物等は、多方面からその価値を評価されてきたものの、観光学部移転から2年半が経過し、時の経過と共に発生する劣化の改善を図りながら良好な教育環境を維持している状況にあって、その維持管理の経費が大学財政を圧迫するとの心配も指摘されている。 大学としては、まず何よりも、できるだけ早期に、少なくとも2024年内に、その建物等を利活用する事業者を決定することを目指している。その際、大学の基本方針として、建物等について、資産処分の観点から合理的な価額で売却することを基本とし、候補事業者を募りながら、市が望ましいと考える事業候補者を受け入れることに変わりはない。これまでにも努力はしてきたが、事業者側の視点も大事にした幅広い視野での現実的な誘致対応も不可欠である。これまでの経緯に反省を加えながら、大学によるこの事業者への協力・支援にも更に努める方向で、所要の対応を進めていきたい。 ちなみに、大学では、次世代を見据えたまちづくりの目線で事業者を選択していくことが市民の望まれていることであると考えて、建物等を市に譲与した上で、市が事業者を選定し、建物等の相当額を後で大学に支弁する手法についても市に提案してきたところである。 大学としては、今後とも、最大限の努力を行ってまいりますので、大学の諸活動に対し、ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 |
(4)学校法人日本航空学園から安房キャンパス使用について要望
一方、これまでの提案とは別に、令和6年9月20日付けで学校法人日本航空学園から安房キャンパス使用についての要望を受けました。
日本航空学園では、学校法人城西大学と連携協定を締結している関係から、安房キャンパス活用についての検討依頼を受け、現地視察等を行った結果、長期使用の希望を有するに至ったとのことです。
施設・土地等の概要
ア 主な規制状況
都市地域 非線引都市計画区域、用途地域無指定
容積率200%、建ぺい率60%
農業地域 地域外
森林地域 地域森林計画対象民有林(一部)
自然公園地域 地域外
自然環境保全地域 地域外
イ 観光学部用地
千葉県鴨川市太海1717-1ほか35筆 100,240平方メートル※
※市公共施設用地31,174平方メートルのほか山林等を含む
ウ 安房ラーニングセンター用地
千葉県鴨川市太海1469-5ほか4筆 46,651平方メートル
(2) 施設
ア 観光学部
地上5階、地下2階、鉄筋コンクリート造
竣工:平成18年3月
イ 安房ラーニングセンター
地上2階、鉄筋コンクリート造
竣工:平成16年4月
※安房グローバル・ヴィレッジは、地上3階、鉄骨造(竣工:平成27年9月)
(3) 附属施設
ア 城西国際大学 観光学部 駐車場
イ フットサルコート
ウ 安房ラーニングセンター 駐車場
エ 総合グラウンド
観光学部
安房ラーニングセンター
安房グローバル・ヴィレッジ