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長狭高等学校科学部が総文祭で奨励賞を受賞

ページID:0030885 更新日:2024年9月12日更新 印刷ページ表示

長狭高校科学部の集合写真
▲長狭高等学校科学部の皆さん

 

 岐阜県で行われた全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門化学分野で、長狭高等学校の科学部の4人が千葉県代表として出場。「ヨウ素時計反応の誘導時間の経時変化とその原因の解明」をテーマに研究内容を発表し、最優秀賞、優秀賞に次ぐ奨励賞を受賞しました。

 総文祭に出場した、同部の部長 平田茉央さん(3年生)、榎本梨乃さん(3年生)、鎌田純さん(3年生)に総文祭出場までの道のりや日頃の活動について伺いました。(3人と一緒に総文祭に出場した安西眞歩さん(2年生)は取材日当日は欠席)

研究のきっかけは顧問からの提案

 科学部の4人は「ヨウ素時計反応の誘導時間の経時変化とその原因の解明」をテーマとした研究で総文祭に出場。その研究を始めたきっかけは、昨年長狭高等学校に赴任された両角治徳(もろずみはるのり)主幹教諭(以下、両角先生)だといいます。

 

部長 平田茉央さん(以下、平田さん)

実験の内容について話す平田茉央部長

「私たちが行った『ヨウ素時計反応』という実験は、小学校などで行う『ヨウ素でんぷん反応』の応用実験です。

 ヨウ素酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの酸化還元反応で、ヨウ化物イオンがヨウ素になることで『ヨウ素デンプン反応』が起こり、デンプンを含む無色の溶液が青紫色に変化する反応です。無色透明な溶液が突然色を変える様子に興味がわき、昨年の5月くらいから研究を行っていました。」

 

鎌田純さん(以下、鎌田さん)

実験を行ったきっかけについて話す3年生の鎌田純さん

「『ヨウ素時計反応』を知ったきっかけは、顧問である両角先生からの提案でした。

 昨年の4月、両角先生が大原高等学校から長狭高等学校に赴任し、新たに科学部の顧問になりました。赴任してすぐ私たちに『どんな実験がやりたい?』と複数の研究テーマを提案してくれました。私たちは提案してくれたものの中から『ヨウ素時計反応』を選びました。

 もう一つの班は『ブルーボトル反応』という反応を選択しました。『ブルーボトル反応』とは、青色の染料であるメチレンブルーに還元糖、塩基を加えることで、ロイコ体が作られることで溶液が青色から無色になり、さらにボトルの振動により酸素を加え青色に復色する酸化還元反応です。それぞれの班で研究を進め、切磋琢磨して総文祭の出場を目指していました。」

 

ブルーボトル反応の寺家kンを行う部員たち
▲「ブルーボトル反応」の実験を行う部員たち

 

顧問 両角先生

実験の提案理由を話す顧問の両角教諭

 「『ヨウ素時計反応』の研究は、私が長狭高等学校に赴任する前の大原高等学校の生物部化学研究班でも行っていた研究です。

 5年前、その研究をした部員たちが佐賀県で開催された総文祭に出場し、優秀賞を受賞しました。長狭高等学校へ赴任し、研究テーマを提案した際にその話をしたところ部員たちが興味をもってくれ、やってくれることになりました。

 色が変わる反応は変化の観測がしやすく、見ている人を楽しませることができます。長狭高等学校は『おもしろ科学実験教室』に実験ブースをだしていると聞いていたため、そういうところで小さいお子さんでも楽しめたり、興味を持ってくれる反応がいいと思って提案しました。実際『ブルーボトル反応』の実験は、今年の8月に行われた体験入学の時に中学生たちに体験してもらい、多くの方に興味をもってもらえました。」

 

おもしろ科学実験教室で子どもと一緒に実験をする科学部員
▲おもしろ科学実験教室の実験ブース

朝から晩まで2分おき、12時間の実験

 「ヨウ素時計反応」の研究を選択した班の4人は、2種類の溶液を混ぜ合わせ、溶液が変わるまでの時間を調べる実験を行ったといいます。2分おきに12時間同じ作業を繰り返し、色が変わるまでの時間をグラフ化。これを何回も繰り返し、二酸化炭素や温度が、色が変わるまでの時間に影響を与えるという結論を導きました。

 

榎本梨乃さん(以下、榎本さん)

実験の内容を話す榎本さん

「みんなで力を合わせてコツコツと実験を重ねました。今まで地道に取り組んだ研究が認められ、千葉県代表として総文祭に出場することが決定しました。とてもうれしかったです。長狭高等学校の科学部としては初の総文祭。より多くのデータを集めるために、総文祭に出場する前の週も3日間連続で実験に取り組みました。」

 

実験を行う部員たち
▲「ヨウ素時計反応」の実験を行う榎本さん(左)と平田さん(右)

データを入力する部員
▲実験の結果をグラフ化する鎌田さん

何度も発表練習を重ね、本番へ

 総文祭では平田さんが研究内容を解説し、榎本さんが平田さんの発表に合わせてスライドを操作。鎌田さんと安西さん、両角先生は客席でその様子を見守りました。平田さんと榎本さんは、内容が規定発表時間の12分以内に収まるようにひたすら練習を重ねたといいます。

平田さん

「発表の様子を部員や両角先生に見てもらいアドバイスをもらうなど、何度も修正をしました。本番前夜も宿泊先のホテルの部屋に集まり、ぎりぎりまで原稿やパワーポイントのスライドをチェックしていました。本番では思ったより緊張せず、いつも通り発表できたのでよかったです。」

 

 同部が出場した自然科学部門化学分野には、全国から44校が出場。受賞した奨励賞は、最優秀賞、優秀賞に次ぐ賞で、同部を含めて5校が受賞しました。実験データの数の多さが特に評価されたのではないか、ということです。

総文祭の看板を前に記念撮影をする4人
▲総文祭に出場した4人

総文祭の発表の様子
▲総文祭で研究成果を発表する榎本さん(左)と平田さん(右)

週3日の活動から週6日の活動へ

 総文祭は「文化部のインターハイ」と呼ばれる大会。3年生の3人は「まさか自分たちがそこに出るなんて」とこれまでの活動を振り返りながら話しました。

 

平田さん

「実験が好きで入った科学部。1年生の頃は週3回、部室に集まっておしゃべりをしたり、飼育しているウーパールーパーの世話が主な活動でした。

 それが2年生になって両角先生が顧問になって『日本一を目指します。活動は週6日ぎっちりやりましょう』と言われて戸惑いました。でも部員みんなで協力して、全国の舞台で発表することができました。本当に濃い一年半でした。」

 

榎本さん

「『活動は週6日』と聞いた時は、部活動をやめようかこのまま続けようか迷いました。でも実験が楽しそうで、続けてみようかなと。まさかこんなにずっと実験をやるとは思いませんでしたが(笑)。

 夏休みもほとんど毎日活動がありました。実験をして、結果をグラフにする。その繰り返しでした。大変な作業だったけど、楽しく活動できる仲間がいたので、頑張ってこられました。仲間たちに感謝です。」

 

両角先生

「よく辞めずについてきてくれました。間違いなく県内で一番実験をやってきた生徒たちだから、奨励賞の受賞は当然の結果だと思います。」

部活動で得たことを将来にいかしたい

 3人は現在受験生。部活動で得た力や考え方、経験を今後にいかしていきたい、と声を揃えました。

今後の事を話す三人

 

鎌田さん

「活動の中で『コツコツ積み上げていくこと』の大切さを学びました。また、細かい作業を続けていく忍耐力・集中力も養われたと思います。自分の強みとして今後に役立てていきたいです。」

平田さん・榎本さん

「発表会などで人前に立つことが多かったため、人前で堂々と話す力が養われました。人前で緊張しないということは『冷静に周りの状況をみること』につながります。それができると、相手の反応を見て、話し方や声の大きさを変えるなどさまざまな工夫で自分の考えを相手に伝えることができます。今後どんな場面でも役に立つ力なので、しっかりといかしていきたいです。」

 

両角先生

生徒のことを話す両角教諭

「今後4人の人生に『ヨウ素時計反応』で知り得た知識は使わないかもしれない。でも、研究をすることで得た探究心や発想力は今後も必要になるものだと思います。それを十分にいかして未来へ進んでいってほしいです。将来、壁にぶつかることもあるでしょう。そんな時『できない』といってあきらめるのではなく『できる』方法を考えて道を切り開いていく、そんな人になってもらいたいですね。」

 

 

 

※内容は令和6年8月28日時点のものです

 

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