本文
令和7年9月28日(日曜日)、吉尾地区の吉保八幡神社でやぶさめ神事が行われました。
これは、境内前の水田沿いに設けられた216mの馬場を疾駆しながら矢を放ち、10m以上離れた3つの的を射て来年の米の作柄の豊凶を占うもの。1番的を「早稲(わせ)」(早く実るイネの品種)、2番的を「中稲(なかて)」(早稲と晩稲の中間のイネの品種)、3番的を「晩稲(おくて)」(遅く実るイネの品種)とし、馬場を3回走り、計9本を騎射します。
鎌倉時代に始まったとされ、約800年の伝統をもつこの神事は県内では唯一本格的なやぶさめで、昭和40年に県無形民俗文化財に指定されています。
令和7年度の射手は禰宜(ねぎ)の加藤道明さん。平成28年から禰宜を務めた吉野秀二さんに代わり、今年初めて禰宜を務めました。
馬上から放たれた矢はいずれも的を射ることはありませんでしたが、神事を見守っていた大勢の観客からはねぎらいの拍手が送られました。禰宜を務めた加藤さんは「神様に全てを委ねるつもりで務めを果たしました。初めての禰宜でしたので、無事に終わってホッとしています。大勢の方の前で今日の大切な神事ができて感謝です」と話していました。
柴田良一宮司によると、やぶさめの結果を受けたお告げは「『神馬(しんめ)秋空を翔け 庶衆心安し 故(かれ)来年も大安心』で、来年も平年並みで問題ない作柄」とのことでした。