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耕作放棄地を、子どもと一緒につくる「遊び場」に

ページID:0027134 更新日:2024年3月11日更新 印刷ページ表示

井上隆太郎さん

 説明する井上さんの写真

 現在、ご自身が所有する土地に子どもたちが遊べる農園をつくろうと奮闘する、市内在住の井上隆太郎さんにお話を伺いました。

耕作放棄地をなくし、自然の景観や景色を守りたい

 2015年に東京から鴨川に移住し、農業をはじめてから、一番気になっていたことは「耕作放棄地」です。

 人手不足や高齢化などにより利用されていない農地があまりにもたくさんあり、里山が荒れている現状を知りました。

 農地で農作物を作るだけでなく、ほかにどんなことができるのか?自分に何ができるのか?小学生の息子が日に日に大きくなる中、自分の将来ではなく、未来を考えるようにもなりました。

 農地を守り、景観をつくり、自然を残す。そしていつの日か子どもやその先の世代で、また農地として使う必要性が出てきた時に農地に戻すことができるような方法がないか、と。

 そして耕作放棄地の活用法として考えたのが「公園」です。

「SOIL to SOUL FARMPARK / 土から魂へ」

完成予定の農園イメージ図

▲出来上がる農園のイメージ

 都会と比べて「とにかく公園が少ないな」と感じていました。子どもが小学校に行くようになってからも、子ども同士の家が離れていて歩いて行ける距離に友だちがいなかったり、放課後に遊べるような場所もなかったり。子どもの生活にあまり自然や動植物との接点を感じることがありませんでした。

 それなら公園のような農園を自分たちでつくってしまおう!と始まったのがきっかけで、今回「SOIL to SOUL FARMPARK」プロジェクトを立ち上げました。

 SOIL to SOULとは「土から魂へ」という意味です。農業を通して、自然を通じて、子どもの心を育てる場所づくり、農地を未来へ持続的につないでいく考え方、取り組みのことを指します。

 クラウドファンディング<外部リンク>を実施しており、着実に作業を進め始めています。

里のMUJI みんなみの里西側の土地を活用 

 2年前に購入した農地に今回のプロジェクトに適した場所がありました。里のMUJI みんなみの里に隣接する広い土地です。都市部から人が集まるだけではなく、近くに学校やこども園があり、交流の場にはもってこいの場所だと思いました。

 みんなみの里さんもこのプロジェクトにご賛同いただき、施設の利用やこの場所にアクセスするための整備などを行っていただける予定です。

農園の予定地

▲里のMUJI みんなみの里の西側に広がる農園予定地

一緒に地域を盛り上げていきたい

良品計画 佐藤氏の写真

▲株式会社良品計画 地域プロデュース担当 佐藤一成さん

佐藤氏の写真

(佐藤さん)「みんなみの里から農園が良く見えます。今後は施設の西側にデッキや階段などを整備して、子どもたちが遊ぶ姿を見守ることができるようにしたいと思っています。みんなみの里には多くの観光客が訪れます。地域が“外”と触れ合える、地域の価値を向上させることができるよう、一緒に地域を盛り上げ、できる限りのことを協力していきたいです。」

 

子どもたちとつくる「自然や動物の大切さを学べる森」に

説明する井上さんの写真

▲現在進行中の作業を説明する井上さん

 現在、農園内に、食べられる実がなる樹木を植えているところです。ナツメ、ブルーベリー、ジューンベリー、ビルベリー、ガマズミ、ザクロ、クロモジ、ヤマコオバシなど。

 農場で大きくなった木を移植したので、1年目から実り始めます。食べたり香ったり、子どもも大人も楽しめる木々です。

農園内の写真

農園内に植えられたハーブの写真

公園のシンボルとなる小屋の写真

 中央にはシンボルとなる小屋を制作中です。軒を大きくして、草屋根にして滑り台のような仕様にしています。

 周りにはポニーや鶏の小屋も建てる予定なので、動物とも気軽に触れ合うことができます。

農園の説明をする井上さんの写真

 周りを囲う柵は、耕作放棄地の竹で作っています。全ては、やがて自然に還ることができる素材です。

 

 生ごみや落ち葉を堆肥化させる、

 堆肥で野菜や花を育てる、

 育った木の実を食べて、ごみを堆肥化させて、また、畑に戻して循環させる。

 

 農園内は、学びの要素をふんだんに取り入れています。

 自然に還ることができないもの、リサイクルできないものが、本当の「ごみ」。気付くきっかけづくりになればいいな、と思います。

 みんなが楽しみながら自然や動物の大切さを感じられる。子どもたちが大人になったとき、その次の世代に自然や動物の大切さを伝えていける。そんな農園をつくりたいと思っています。

 春になったら種まきや育苗など、子どもたちとも一緒に作業していきます。道具小屋の壁面に絵を描いてもらったり。子どもたちの自由な発想を形にできることが楽しみです。

完成は令和6年ゴールデンウィーク

農園の前に立つ井上さんの写真

 工事は着々と進んでおり、農園は、令和6年4月27日(土曜日)ごろオープン(予定)です。その前に地元の皆さんへのプレオープンという形で紹介したいと考えています。 

 完成後の利用料(入場料)はありません。

 収穫や加工、料理など、食と農業に関わるイベントや、植物、動物、里山に関わる自然イベントも定期的に開催し、子どもマルシェも開催したいと思っています。

 楽しそうな農園が出来上がれば、地域の人も喜ぶし、お年寄りの方の居場所にもなる。皆さんが持っている技術や知識、まちのことを若い世代に伝える場所になったらいいなと。それを見て移住しようという人も出てくるかもしれない。農地を宅地にする以外の選択肢のひとつとして、これからも活動を広げていきたいと思っています。

農地のポテンシャルは無限

 鴨川の一番の魅力は、この自然です。鴨川に10年住んでもっと魅力を伝えたいと思いました。

 高齢で農業ができなくなった、広い範囲を耕作できなくなった、後継者がいない。そういった理由で農地は荒れていきます。

 私は農地の有効利用のポテンシャルは無限にある、幅広い可能性があると思っています。農作物をつくるだけではなく、子どもに開放したり、畑をシェアファームにしたり。

 この自然を維持しつつ、景観を壊さず、環境も破壊しない方法で、農地を宅地ではなく、農地のまま有効に活用していきたい。

「自分たちにできる範囲で」子どもたちに残したい

 徳島県上勝町で取り入れている「ゼロ・ウェイスト」の取り組みがあります。無駄・浪費・そもそもごみを出さないようにしようという考え方です。ごみについてもっと考えて行動することは、これからやっていきたいことの一つです。

 給食の残食を堆肥化させれば、生ごみの焼却も減り、農地も潤う。まずは自分たちにできる範囲で、コツコツと取り組んでいきたい。

 未来の子どもたちの暮らしを第一に考え、行動していきたいと考えています。

 

井上さんの写真

井上隆太郎さん

東京生まれ東京育ち。花屋、造園、花を使った装飾の仕事を経て、子どもが生まれることを機に「自然豊かな場所で暮らしたい」と、鴨川市へ移住。
2014年 都内から鴨川へ通いはじめる
2015年 鴨川市へ移住
2018年~現在 エディブルフラワーやハーブ栽培、里山の整備、古民家を改修したカフェ、耕作放棄地を活用したシェアファームなどを運営

※インタビュー内容は令和6年2月27日現在です。

最新情報は、soiltosoul_farmparkのinstagram<外部リンク>をご覧ください。

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