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島口駒夫は、明治44年4月10日、貝渚村(現鴨川市貝渚)に漁業を営む島口家の三男として生まれました。彼は小学校6年を終了すると音楽学校に入るため兄を頼って上京しました。その後島口は希望をかなえて、日本ビクターレコード専属の作曲家として活躍を始めました。海軍に召集され館山航空基地に配属となった後、昭和20年3月17日に硫黄島で玉砕しました。その時35歳、遺骨すら残しませんでしたが、唄は現代に生きています。
主な曲には、「ラバウル小唄」「お山の戦争」「兵隊さんご苦労様」「進軍落下傘部隊」があります。また、出征の朝に書いた「いざ征かん」「さらば妻子よ」の未完五線譜が残されています。
今も八岡の丘に佇めば、白い波涛に駒夫の笑顔が浮かび、汐騒はラバウルの哀愁を奏でています。(鴨川郷土史保存会島口駒夫三十三回忌記念事業より)