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鴨川市内でも、平坦な土地が少ない山間部では、昭和50年頃までは、斜面を開墾した棚田はごくありふれた風景でした。しかし稲作の機械化と農業従事者の高齢化が進む昨今では、急速に姿を消しつつあるのが実情です。この釜沼地区の千枚田は、市内でも最もよく管理されている棚田で、約370枚の水田で耕作が続けられています。大小様々な田が段々に連なる千枚田の景観は、日本の農村の原風景をとどめており、人と自然が相互に作用して作られた「文化的景観」としての価値が評価され、平成14年に県の文化財・名勝に指定されました。現在では「オーナー制度」を導入し、景観保全とともに都市住民に農業体験の機会も提供するなど、地域の活性化にも貢献しています。
県の指定名勝が2件ある市町村は県下では、現在のところ鴨川市だけです。
(千枚田、春)
(千枚田、秋)