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毎年5月の第3日曜日に長狭地区にある大山寺で「柴燈護摩(さいとうごま)火渡り祭」が行われます。
これは、山伏姿の修験者や一般の参拝者などが護摩壇の燃え跡にできた道を素足で歩く荒行「火渡り」に挑むものです。
令和6年は大山寺開創1300年の節目の年であることから、法要が行われる前に宮司や巫女によって舞が奉納されました。
また、法要に加えて、大釜で湯を沸かし、それに笹の葉を浸して滴り落ちる熱湯を頭上で受ける「湯加持」が行われました。この笹の葉は、家内安全と無病息災のご利益があるとされていることから、参拝者は頭を下げて降りかかるしずくを受けていました。
▲宮司による「朝日舞」。「朝日舞」には「 赤々と東の空に昇る朝日のように、爽やかな気持ちと神様に恥じない誠の心を常に持とう」という意味が込められています。
▲巫女による「豊栄舞」。「乙女舞」とも言われ、舞人は榊または季節の花を右手に持って舞います。 森羅万象の神々を崇め、その恩恵に感謝する心を表現した舞です。 この舞には、太陽の恵みや、生きていることへの感謝、自然への感謝の意味がこめられています。
▲山伏が行う湯加持作法
令和6年に行われた火渡りには265人が参加。参加した方は「山伏の方や地域の方の熱意が感じられて清められた気持ちになった」「長生きできるようにお願いした」などと話していました。
火渡りを行う前、山伏姿の修験者がほら貝を響かせながら、弓矢や刀などの法具を使って道場を清めるさまざまな作法を行います。
※以下は令和5年5月21日に行われた様子です
柴燈護摩の檀木である木を切り出す作法のこと。
道場内の魔と自心の魔を断ちきる作法のこと。
四方に矢を放ち魔を入り込ませない作法のこと。
願い事を本尊に述べる願いの文のこと。
釈迦如来の心水のこと。この清浄無垢の閼伽水(あかみず)を供えた後、点火をします。
たいまつに火をつけ、護摩壇へ点火します。
御幣を差した御輿を行者が担ぎ、柴燈護摩壇の周りをまわり、加持します。
護摩壇は、白い煙と大きな炎に包まれ、周りでは山伏姿の修験者らがお経を唱えるなどします。
護摩壇が燃え尽きると山伏姿の修験者が護摩壇を崩し、燃え跡をならします。長い木を使い、炭を押し固めて火渡りのための道を作ります。
大山寺住職が「火渡り」を行います。塩をまき、場を清めながら渡ります。
火渡りの場には、初代・波の伊八作の「倶利伽羅龍(くりからりゅう)」が開帳されます。「倶利伽羅龍」は、不動明王の化身とされ、宝剣に絡みついた龍がその剣を飲みこむ姿をとっている彫物であり、毎年この柴燈護摩火渡り祭に開帳され、多くの参拝者がカメラで撮影をするなどしていました。